健康的増量の意義
この記事のポイント
- 除脂肪量の増加は筋肉量の増加を意味し、骨格筋が分泌するマイオカインによって長期的な健康維持に役立つ効果が期待できる。
- ある程度の脂肪を残すこともフレイル予防の観点では意味がある。両方をバランスよく共存させる考え方がHealthy Lean Gain。
- 筋トレおよび筋肥大を進めるにつれて、日中の知的パフォーマンスの安定にもつながった、という個人的な実感がある。
プロジェクト名の由来
今回は、私たちのプロジェクト名の由来である、Healthy Lean Gainについてお話しします。
日本語で表現すると「健康的な除脂肪量の増加」となります。
除脂肪量を増やす意味
プロジェクト名に「リーンゲイン」を使ったのは、適切な除脂肪量の増加が、長期的な健康維持に貢献すると理解しているからです。
除脂肪量の増加ということは、基本的に筋肉量の増加を意味します。
そして、筋肉量が増加すること、また筋肉量を増やす運動自体に、重要な意味があります。骨格筋が分泌するマイオカインには、健康の維持・向上に役立つさまざまな効果があることがわかっています。
- インスリン感受性の向上。 運動によって分泌されるマイオカインは、糖や脂質の代謝を調整し、インスリン感受性を高める方向に働くとされています[1]。
- イリシンによる脂肪組織の「褐色化」。 筋肉由来のマイオカインであるイリシンは、脂肪組織のエネルギー消費を高めるとともに、インスリン感受性の改善にも関わるとされています[2]。
脂肪を残す意味
一方で、ある程度の脂肪をつけることは悪いことではないと考えています。
というのも、脂肪はフレイル予防に役立つとされています。大きな病気や怪我をした際の生存予備力(バッファ)として活きるためです。
Healthy Lean Gainとは何か
この二つの考えを、バランスよく、無理なく共存させること——それがHealthy Lean Gainだと考えています。
筋肉をつけながら、結果的に体脂肪を減らしていく。
例えば、私が今、体脂肪率が30%を超えていたら、いわゆる脂肪や体重を落とすためのダイエットではなく、この方針でリーンゲインを目指します。
ただし、体脂肪率を10%以下に下げたり、割れた腹筋までは目指しません。
食事におけるリーンゲインへの実感
実際、リーンゲインを進める中で、もう一つ気づいたことがあります。
今、私が個人的に得ている実感をお伝えすると、インターミッテントファスティングで午前中の頭の冴えを維持しようとしていた頃と比べて、朝からよく食べて1日の摂取カロリーの多くを日中に摂取するフロントローディングの方が、圧倒的に知的パフォーマンスを一日中維持しやすいです。
ランチ後の眠気もなく、終日安定したパフォーマンスを維持できる。
なぜなら、筋トレによって筋肥大が進む中で、糖質を摂ってもエネルギーとして消費されやすく、またグリコーゲンとして蓄えられやすくなるためだと考えています。
リーンゲインの効果実感とプロジェクトへの想い
そのため、現在のパフォーマンスの維持・向上には、リーンゲインが確かに効いていると実感していますし、長期的な健康維持にも貢献すると信じています。
そのような想いから、HLG (Healthy Lean Gain) Dynamicsというプロジェクト名で、meiseki OSを開発するに至りました。
これは、誰にとっても当てはまるわけではありません。
しかしながら、ある一定数の方には同意していただけるのではないかと考えています。
もし賛同していただき、meiseki OSに興味を持っていただけるとしたら、嬉しい限りです。
終わりに
こうした実感は、誰かに教えられたものではなく、自分自身のデータと向き合う中で見えてきたものです。
meiseki OSの中核にある「パターンミラー」も、まさにこの「自分で気づく」というプロセスを支えるための仕組みです。次回は、このパターンミラーについて詳しく書いてみようと思います。
参考文献
- マイオカイン総説(J-STAGE、日本語):jstage.jst.go.jp/article/jssmn/59/6/59_177/_pdf
- The role and mechanisms of myokines in sarcopenia(Frontiers in Medicine, 2025):frontiersin.org/journals/medicine/articles/10.3389/fmed.2025.1665708/full